滑空スポーツ講習会2020 EMFT実技講習 阿蘇場外離着陸場 開催報告

開催概要

日 時:2020年11月21日~11月23日
場 所:阿蘇場外離着陸場(熊本県阿蘇市)
主 催:公益社団法人日本滑空協会
主 管:NPO法人九州グライダースポーツ連盟  

新型コロナ感染症予防対策ガイダンス:
日本滑空協会ホームぺージに掲載しているガイダンスに基づき、参加者各自が当日朝の体温を測定、会場で「(別紙1)参加者遵守事項」の記入提出をお願いした上で開催しました。

目的: このスピン特化訓練では、失速とスピンのメカニズムを正しく理解し、座学で学んだ航空力学を実技で検証することによって、スピンに近づいている状況認知能力を養い、低高度でスピンに入れないための知識、技術、判断力を身に着けることを目的としています。

プログラム

8:30~9:00 スタッフミーティング、会場準備
9:00~10:00 受付、toto理念広告上映
10:00~12:00 座学及び実施要領ブリーフィング
12:00~13:00 昼食、移動
13:00~16:30 フライト実習
17:00~19:00 デブリーフィング

使用機

L23

参加人数

参加人数 17名
11/21 5名(座学のみ1名)
11/22 5名(座学のみ2名)
11/23 7名(座学のみ7名)
※その他、スタッフ 各日3名

講習内容

(1)座学 講師:櫻井玲子氏 ※別添、学科資料を用いて
・グライダーの危険
・失速/スピンのメカニズム
・ヒューマンファクターとThreat & Error Management
・スピン事故防止に必要な訓練と環境

(2)実技
・L23複座機を使用
・飛行前点検(重量重心位置,舵のストローク)
・曳航(索切れ処置、三次元視野)
・高度2,500~3,500 ft から、一連の異常姿勢回避訓練を実施
 ・低速飛行姿勢確認
 ・フルスピン(バンク10°、バンク30°)
 ・スピンとスパイラルとの違い
 ・スリップからのスピン
 ・旋回から自転への移行
 ・ラダーの副次効果
 ・スピン移行中の毛糸の動き
 ・急旋回(バンク45°)からの失速
 ・エマージェンシーアプローチ

講習の概要

 初日は天候に恵まれ順調に講習を行うことができた。二日目は午後から雨のため午前中のみ、三日目は雲低が低いため実技講習が出来なかった。山岳地特有の天候に悩まされ、申込者16名の内7名しか実技講習を受講できなかったが、座学では講師との質疑応答もあり、座学しか受けれなかった受講者にとっても有意義な講習会だった。

講習風景

座学の様子

座学の様子2

講習会ブリーフィング

講習会会場全景

講習会会場を上空から

資料

実施要領

 

学科資料

 

 

参加者の声(アンケート結果より)

参加者の声

初めてEMFL講習会に参加させていただきました。スピンは未経験でしたので、大変貴重な体験でしたし、これを今後の飛行に活かしていきたいと思います。
スピンの体験もさることながら、「この横風で考えられるリスクは何?」など飛行前からリスクマネジメントを行うことや、「ここで曳航索が切れたらどうする?」など、刻々と変化する状況に対する備えをしておかなければならないことを改めて痛感しました。
また、一つワークロードが増えると途端に平常心を失ってしまうこと、視野を広く持って操縦しないといけないなど、多くのことを教えていただきました。
今回は雲底が低く、すべての科目をこなすことができませんでしたので、次回も参加させていただこうと思います。

講師のコメント

阿蘇でのEMFTは初めてでしたが、事前準備を周到にしていただいたおかげでスムーズに講習会を進めることができました。標高が高く天気が変わりやすい山岳地特有の条件下で、フライトを予定通りこなすことはかないませんでしたが、学生さんから指導者まで幅広い参加者と安全に関するディスカッションを行う機会に恵まれたことは大きな収穫でした。
ぜひ地域にあった安全文化を構築いただきたいと思います。

 

この講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施(開催)されています