上級滑空機から動力滑空機への限定変更に関する注意事項

自家用操縦士 滑空機(上級)(HCG)の技能証明を所有している人が、曳航装置なし動力滑空機(MGO)で実地試験を受けて限定変更をした場合には、曳航装置付き動力滑空機(MGH)の等級限定は自動的には付与されず、別途申請が必要になりますので、ご注意ください。以下、具体的な事例で説明します。

 

滑空機の等級には、”HCG上級滑空機”、”MGO曳航装置なし動力滑空機”(航行型のモーターグライダー)、”MGH曳航装置付き動力滑空機”(セルフローンチ型やサステナー型のモーターグライダー)の3種類があります。

HCG上級滑空機の限定を所有する人がMGO曳航装置なし動力滑空機の限定を取得すると、MGOとMGHのライセンスを取得できると考えて、MGOで限定変更の実地試験を受験される方が多いようです。しかし、HCG上級滑空機の限定保有者が、MGO曳航装置無し動力滑空機の限定変更に合格しただけでは、合格後に発行されるライセンスの限定事項には、HCG滑空機上級とMGO曳航装置無し動力滑空機しか記載されていません。この状態ではMGH曳航装置付き動力滑空機を機長として操縦することができませんので、別途、MGH曳航装置付き動力滑空機の限定変更申請が必要です。通達、国空乗第351号「技能証明等の取得資格による試験の免除課目について」により、HCGとMGOの併有者は実地試験免除で申請だけでMGHの資格が取得できますので、「航空従事者技能証明等に関する事務処理要領」をご参照の上「Ⅳ 申請書類 限定変更申請」の必要書類を揃えて申請してください。

無資格でセルフローンチ型やサステナー型のモーターグライダーを操縦することにならないよう、注意しましょう。