滑空スポーツ講習会2018 札幌 滑空スポーツセミナー
開催概要
日 時:2019年3月9日(土) 13:00~17:00
場 所:札幌駅北口 TKP札幌駅カンファレンスセンター 3F
主 催:公益社団法人日本滑空協会
プログラム
13:05~14:35 第1部 「かんたんIFR機の情報入手術~旭川空港周辺のIFR機から~」
滑空機で山岳地帯に近いところで飛行する醍醐味はとても気持ちのいいものです。しかし、最新鋭の旅客機は航法性能が増し、これまでIFR機が飛行していないような地域でも飛行できるようになっています。旭川空港周辺を例にIFR機の情報を入手して、飛行の安全に役立てましょう。そのためのATC利用術を身につけるエッセンスをお知らせします。
札幌航空交通管制部主幹航空管制官
村山 浩史 様
14:50~16:30 第2部 「滑空機のエネルギーマネージメント」
・ Threat and Error Management
・ 滑空スポーツの特徴
・ 失速
・ 緊急着陸
・ 異常姿勢の認知、回復操作
公益社団法人 日本航空機操縦士協会 理事 ジェネラルアビエーション委員
植田 展生 氏
参加人数
37 人
資料ダウンロード
テーマ① 「かんたんIFR機の情報入手術~旭川空港周辺のIFR機から~」
テーマ②「滑空機のエネルギーマネージメント」
航空機曳航でのTEM(Threat Error Management)
グライダーのUAS(Undesired Aircraft States)
講習会を終えて
今回の講習は、「滑空場付近の航空交通流をあらかじめ知識として持っていることが、飛行の安全につながるのではないか」との考えの下、普段自分が飛行しているエリアにおけるIFR機の進入方式を、実践をとおして理解していただくことを中心に内容を設定しました。
意外に近いところでIFR機が飛行していることをご理解いただき嬉しく思います。今後もグライダーと他の航空の共存が一層進むことを期待しています
今回北海道を初めて担当し、グライダーシーズン到来と いうこともあり、皆さんの熱意を感じました。講演内容を盛り込みすぎて、焦点が定まらなかったと反 省しております。
TEMについては、事故防止の観点もありますが、グライ ダーを楽しむためのツールとしてポジティブに取り入れ ていただき、「スレット」という用語が日常の会話でも聞けるように なればと思っています。
講演の後、Undesired Aircraft Stateの体験に、パイ ロット視点で撮影したVRビデオを紹介しました。VRは、訓練教材以外にも、イベントなど、有効利用でき るのではないかと期待しています。
村山管制官のIFR経路をチャートから普段飛ぶエリアに落とし込む作図講習はとてもわかりやすかったです。普段旭川空港周辺で飛んでおりますが、管制官、情報官とのやりとりでは得られない離発着の裏側のお話も聞けて今後のフライトに繋げられそうです。また、グライダー側も管制機関とコミュニケーションを取っていく事がますます必要になってくることを実感しました。
植田教官からは最近の新しい危機管理の考え方をわかりやすく解説していただけました。またバーチャルリアリティを使った失速や回復操作の疑似体験は色々な可能性を感じました。メリットとデメリットについて理解しながら実際の訓練と併用することで大きな効果が得られるのではないかと思いました。今後の展開に注目したいと思います。