滑空スポーツ講習会2019 EMFT実技講習 たきかわスカイパーク 開催報告
開催概要
日 時:2019年9月14日~9月16日
場 所:たきかわスカイパーク
主 催:公益社団法人日本滑空協会
主 管:公益社団法人滝川スカイスポーツ振興協会(SATA)
目的: このスピン特化訓練では、失速とスピンのメカニズムを正しく理解し、座学で学んだ航空力学を実技で検証することによって、スピンに近づいている状況認知能力を養い、低高度でスピンに入れないための知識、技術、判断力を身に着けることを目的としています。
プログラム
8:40~9:00 スタッフミーティング、全体ブリーフィング
9:00~9:45 飛行準備
9:45~10:00 受付
10:00~12:00 座学及び実施要領ブリーフィング
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 フライト実習
16:00~17:30 デブリーフィング
使用機
ASK21
参加人数
9/14 5名
9/15 3名
9/16 3名
※スタッフ 各日2名
講習内容
(1)座学 講師:櫻井玲子氏 ※別添、学科資料を用いて
・グライダーの危険
・失速/スピンのメカニズム
・ヒューマンファクターとThreat & Error Management
・スピン事故防止に必要な訓練と環境
(2)実技
・ASK21複座機を使用
・飛行前点検(重量重心位置,舵のストローク)
・曳航(索切れ処置、三次元視野)
・高度3,500 ft から、一連の異常姿勢回避訓練を実施
・低速飛行姿勢確認
・フルスピン(バンク10°、バンク30°)
・スピンとスパイラルとの違い
・スリップからのスピン
・旋回から自転への移行
・ラダーの副次効果
・スピン移行中の毛糸の動き
・急旋回(バンク45°)からの失速
・エマージェンシーアプローチ”
講習の概要
初日は天候に恵まれ順調に講習を行うことができた。二日目及び三日目は雨の影響で度々実技が中断する場面があったが、待機中に座学の内容を補足したりするなどして講習内容の充実を図ることで、予定していた参加者全員が有意義に受講することができた。
講習風景
資料
実施要領
学科資料
参加者の声(アンケート結果より)
・講師の櫻井玲子さんによるEMFT講習は、私の今後の安全なフライトへの、大きな自信に繋がりました。
私がこの講習に参加したきっかけは、これまでのフライトでソアリング中にスパイラルに入る事があった、また、今後のフライトで緊急時の対応を正しくできるか不安だったからでした。
緊急時対応については、航空事故調査報告書を読んだり座学だけでは不安は解消されず、実際のフライトで緊急対応を要する状態をデモする事が必要だと思っていました。この講習では、私が持っていた不安は解消され、さらに学びが多くありました。失速とスピンのメカニズムについて新たに学ぶことがあり、また、スピン前後での状況判断について、実際にフライトで学べました。
この講習を受講した翌日にファーストソロに出ることが出来たのは、この講習を通じてフライトへの不安を払拭し、落ち着きを得られた事と、視野を広く持てるようになったからだと思います。フライト以外では、参加者によるハンガートークなどもしやすい雰囲気でした。
私が今回のEMFT講習で正しい知識を学べたように、多くの人がこの講習を通じて正しい知識を持つことが、事故発生を防ぐことに繋がると思います。
・今回は座学のみの参加でしたが、普段意識しないまま、何気なく行っている操縦行為に様々なリスクが伴っていることがよく分かり、大変意義深い機会を与えていただいたと感謝しております。失速の概念、機序を基本からご説明いただき、改めて、ストール、スピンの危険性を正確に理解しないまま飛んでいたことを思い知らされ、背筋が寒くなる思いでした。
上映していただいた動画は、やはり百聞は一見にしかずで、予めご説明いただいていた内容がすっきりと腑に落ちて、非常によかったと思います。できれば、過去の実技講習の様子を動画で見せていただけると、なお分かりやすいのではないかと思いました。
なるべく早いうちに、改めて実技と併せ、再度講習を受けたいと思っております。ありがとうございました。
・櫻井講師の受講は2度目となりましたが、感想としては「やはり4~5年に1度くらい繰り返し受講することは大切なのとだ」と感じました。頭の中では記憶していたと思っていたこともすでに忘れてしまっていたことや再度実地する中で思い出したり、意外とできなかったりすることがあったからです。事故を起こさないためには大変有効な講習会だと思いますので今後とも多くのライセンサーに受講してもらいたいのと今後とも引き続き開催していただきたいと思います。
この講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施(開催)されています