航空安全講習会2017名古屋終了しました
開催概要
日時:2018年1月13日(土)12:35-17:00
場所:名古屋 ABC会議室
主 催:公益社団法人日本航空機操縦士協会
協 賛:一般社団法人日本飛行連盟
公益社団法人日本滑空協会
NPO法人AOPA-JAPAN
NPO法人全日本ヘリコプター協議会
後 援:国土交通省航空局(予定)
プログラム
13:35~14:25 第1部 最近の変更点等
認定講師 JAPA 吉田 徹 氏
14:35~16:35 第2部 スピン事故防止について
公益社団法人日本グライダークラブ 櫻井 玲子 氏
参加人数
39名
講習会を終えて
ご縁があって、中航連では毎年講習会を開催していますが、開始当初から比べると、かなり実施内容が変わってきています。当初はスピン回復に重点を置いていましたが、最近はヒューマンファクターと組織的な取り組みにより、危険に近寄らない対策を重視する内容となってきました。さらに空力を理解し、普段から理論をフライトに結び付けて飛ぶ事、考える訓練をする事の重要性がわかってきたのは、中航連と一緒に取り組んできた年月があったからこそです。
グライダーは、最高にエキサイティングで最高に危険と隣り合わせのスポーツで、安全は並大抵な努力では達成することができず、強い意志と継続によってのみ得られるものであるというメッセージが、多くのパイロットに届けば良いなと思っています。
講習会は日本操縦士協会の吉田徹理事(元中航連メンバー)の「最近の変更点」に始まり、ATEC(航空輸送技術研究センター)の土方部長より「VOICES制度を知って利用しよう」の紹介があり、最後は櫻井玲子教官の「スピン事故防止について」でした。
中航連は、2005年に浜北滑空場でウインチ曳航中のスピンで大切な会員を一人失っており、2度とこのような事故を起こさない為に2006年からは櫻井教官による「異常姿勢回復講習会(EMFT)」を毎年受けてきました。櫻井教官は、中航連や他の団体へのEMFTを通じてスピン事故防止の活動を続けて来ており、この中で観察した成果により安全への組みは少しずつ変遷してきています。この紙面をかりて少しご紹介しますと、
Step1;フル・スピンに陥った時の回復操作の習得
Step2;スピンの兆候の予知とスピン初動での回復・・・〝Stick forward体操″
Step3;起こりうる事態を予測し回避するための知識と状況認識能力を身に着け、危険に近づかない・・・〝Sirensの誘惑″
Step4;パイロットの技能向上には限界があり、機材の向上と組織的な取り組みが必要
となって来ております。
低高度でスピンに入ってしまえば、ベテランや教官と言えどその時点でゲームオーバーとなることを知り日常の訓練や学科に活かして行くこと、また、加齢による能力低下は抗えないので、動体視力や周辺視野の衰えからくる操縦能力低下を認識して飛行に臨む辺りがポイントだったと思います。
講習会の後は、近くの「世界の山ちゃん」で中航連新年会が実施され、講師の方々や大野GCの方も飛び入り参加して下さり滑空談義で大いに盛り上がりました。
この講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施(開催)されています